2009年9月7日月曜日

2009衆院選

 政権選択選挙といわれた2009年の衆議院議員選挙も一週間が経ち、ようやく落ち着いた感がある。もっとも大学では数々の補助金などの行方を巡って戦々恐々としていますが。



 さて、都議選に続いての民主党の大勝利、政権交代は二大政党制の確立は「明治以来の悲願」実現ともいえるが(日経新聞、7月28日の坂野潤治先生の経済教室)、果たして本当に言われたような二大政党制は実現されるであろうか。



 選挙後の分析では、これからが民主党の正念場といった論調が目立つが、1日の日経に載ったジェラルド・カーティス氏の分析「日本のように(右派や左派の)固定票がなく、同質性の高い社会には小選挙区制度は合わない」は興味深いものであった。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090901AT2M3102H31082009.html



 どうやら氏は、選挙前にも「しかし日本のように社会的亀裂の少ない国では、2大政党制になると、政策の違いが見えにくくなり、選択基準がリーダーの個人的なアピールに拠るところが大きくなります。その結果、カリスマ性のあるリーダーが極端なことを訴えても、ブレーキが効かなくなる危険性を帯びています」と言っていたとか。
http://www.academyhills.com/library/event/LT090728.html



 政治学者としてカーティス氏の評価には必ずしも積極的ではないが、前回のいわゆる「郵政選挙」を見ても、今回にしてもこの指摘は適切ではないかと思われる。私の師匠も以前から、小選挙区で二大政党制、マニフェスト選挙には大いに懐疑的で、やはり今読んでも、いや今読んでこそ意味があるように思えてならない。
http://www.valdes.titech.ac.jp/~tanaka/ronsetu/JapanesePolitics.html

 そもそも価値観の多様化している今日においては、2大勢力の対立構造で選択をするということは、現実的ではない。今回の選挙で、自民党は迷走の末、前回の選挙で郵政民営化に民意のお墨付きをもらったのだから、という方向で固まったが、果たして前回の選挙でどれほどの有権者が「郵政選挙」として位置づけを行い、投票をしたであろうか。

 今回は本格的な政権交代を実現する選挙となったという意味では、恐らく歴史的にも意味があるであろうが、これによって2大政党制が実現され、政権選択の選挙が定着するとは残念ながら思えないし、またそれが望ましいものであるかといわれれば、必ずしもそうとはいえない。

 むしろ政権交代によって、国民が政治に関わるチャネルが増え、より幅広い民意が反映されるような政治システムが構築されて行くことを期待したい。

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