2014年3月30日日曜日

川上洋平『ジョゼフ・ド・メーストルの思想世界』書評会

昨日29日は慶應義塾大学での研究会。著者からいただいていた本の書評会。川上洋平氏の『ジョゼフ・ド・メーストルの思想世界――革命・戦争・主権に対するメタポリティークの実践の軌跡』(創文社)である。

フランス革命期の反革命思想家として知られるジョゼフ・ド・メーストルといっても、一般には知られていないであろうし、私もほとんど全くと言ってよいほど 知らない思想家であったが、川上氏の本書は時代状況によって変化するド・メーストルの思想の根幹を明らかにし、自身のことばで語るものであり、私にとってはとても読みやすく、ほとんど一気に読み通した。自身が政治思想を専門としたのであれば、こういう本が書ければと思うほど、素晴らしい著述だったと感じられた。

コメンテーターはトクヴィルを専門とされる高山裕二氏。同世代研究者ということで、率直な議論が交わされた点が大変好ましく、また的確なコメントに私自身 も乗らせていただき、不可知論ならびに保守主義という点についての若干のコメント。3時間半に及ぶ会はあっという間であった。

ちなみに、読みやすいと言ってもらえたのは初めてですとのこと。恐らく私自身のキリスト教理解と、ド・メーストルの神義論(なぜ神によって創造されたこの 世界に「悪」が存在するのか)に対する態度などに共感するものがあったかからとも思われますが。いずれにせよ、西洋思想を学ぶにあたり、神学を多少なりと もかじっていることは大いに役立っているようです。

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