2014年7月17日木曜日

寺田寅彦「学位について」

訳あってちょっと寺田寅彦の文章を探していたら、こんな文章が。
 寺田寅彦「学位について」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/42696_18077.html
昭和9年のもの。「博士」号を巡る状況判断、そして寺田の提言は、今でも通用しそうなところが何とも…。一部引用を付記します。
「学位に関するあらゆる不祥事を無くする唯一の方法は、惜しまず遠慮なく学位を授与することである。一日何人以上はいけないなどという理窟はどこにもな い。百人でも千人でも相当なものであれば残らず博士にすればよい。それほど目出度いことはないのである。そうすれば学位に対する世間の迷信も自然に消滅す ると同時に学位というものの本当の価値が却って正常に認識されるであろうと思われる。
 大学でも卒業した人間なら取ろうと思えばおそらく誰でも取れる学位である。取るまでの辛抱をつづけるかつづけないかの相違で博士と学士の区別が生じる。 それだからこそ恐ろしく頭の悪い博士もあれば、図抜けて頭のいいよく出来るただの学士も捜せばいくらでも居るであろう。本来博士号は一つことを数年根気よ く勉強したという身元保証書の一行である。」

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