それでも今回はBUNKAMURAのル・シネマで上映されていた2作品は、それぞれ知人から勧められたもので、両方とも観賞。ル・シネマもどれだけ来ていなかっただろうと思いつつ。
まずは上映期間が短いほうからということで「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い」から。「アマデウス」は名作とはいえ、英語なのがちょっと・・・というのに対して、今回はイタリア=スペイン合作ということで、ちゃんとイタリア語。モーツァルトが激情するとドイツ語というのが、またリアルでよい!?雰囲気というものがあるのでやはり言語は非常に大切かと。
さてこの映画はあくまでダ・ポンテが中心。モーツァルト贔屓にはちょっとこんなモーツァルトではという感じ。ストーリーもかなり彼が主役として英雄的に描かれていて、やや?な部分もなくはなかったものの、セットや衣装はお見事。風景画との合成はご愛敬。
冒頭の騎士長の像が船で運ばれている場面(そして、カサノヴァがまさにオペラと同じように「ドン・ジョヴァ~二」と歌うところ)に思わずほくそ笑む、そんな感じの洒落たアラカルト、という印象。
一方の「オーケストラ!」はさすが、「ドン・ジョヴァンニ」を観に行ったときに確認した混雑ぶりだけあって、よくできた映画。笑いあり、涙ありの見事なドラマ。
主人公の掃除係にされた天才指揮者がエフゲニー・スヴェトラーノフとかなんとか、そういった現実の話など全く関係なく、あまりに滅茶苦茶なストーリーに「あり得ない」などと目くじらを立てるのでもなく、フィクションを楽しみつつ、ひょっとしてありうるかも、と思わせるネタが満載、アイディアに溢れた映画。
そして何よりこの映画は、何より愛すべき「音楽バカ」のためのもの。とにかく音楽のためだったらなんでもできるし、なんでもできてしまう。全てが音楽一つで決まり、音楽で世界が変わってしまう人々。
政治的に見れば、ユダヤ人音楽家を解雇から守ろうとした主人公の姿が・・・などとも語れるかもしれませんが、実際にはそういった政治的背景よりも、この主人公にとってはとにかく音楽が第一、もう音楽のためであればたとえ共産党支配下の政治体制にも反旗を翻す、音楽は政治よりも、などというレベルではもはやない、典型的な音楽バカ。
その意味では「のだめ」もそうでした。愛すべき音楽バカたちの物語。なんでそれほどまでに、と思いつつもやっぱり自分もそうなので、思わず「音楽バカ万歳!」と快哉を叫びたくなる、そんな映画でした。

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