アファナシエフ&スダーン/東響
ひさびさに東京交響楽団の定期公演へ。会場はサントリーではなく芸劇。今回はオケを聴きにというよりは、アファナシエフ&スダーンの《皇帝》を聴きに。席をどこにするか迷ったものの、1階最前列のど真ん中、という席をお譲りいただけたので、そちらで。指 揮: ユベール・スダーン ピアノ:ヴァレリー・アファナシエフ 曲 目: シューベルト/交響曲 第2番 変ロ長調 D.125 ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」 もちろん《皇帝》が目当てであったものの、前半のシューベルトもウィーン・フィルで4番を聴いて面白かったこともあり、楽しみに。もちろん比較は厳しいものの、スダーン/東響の演奏は、彼らが実にいい状態にあることを証明してくれるような名演。とりわけグレブ・ニキティンがトップを務めるファースト・ヴァイオリンが素晴らしく。スダーンは一楽章が終わった時点で彼らに向かっておもわず“Merci”と。この時点で、12日の彼らのブルックナー第8番の公演へ行くことを決定。すぐにチケットの購入へ。 さてお目当ての《皇帝》は、いかにも神経質そうなアファナシエフ。「とにかく遅い」ということを聴いていたものの、ただ徒にテンポを遅くするようなことは決してなく、アファナシエフの(おそらくは)美的基準に従い、一音一音を大切に表現したいところは確かに異常なテンポの遅さを採用するという印象。 そもそも「ピアノ」という楽器の名前は、ピアノからフォルテまで出せる楽器、という意味でしたが、そのことを改めて感じさせられたこともまた確か。フォルテは実に力強く、しかし決して乱暴にはならず。ピアノは実に繊細なしかしそれでいてしっかりと芯のある響き。もちろんそういったことのみならず、どの音をとっても実に繊細優美な音色。すっかり魅了されました。《皇帝》のあとにアンコールを求めるのも何ですが、何かもっと聴かせてほしかった、あっという間の時間でした。

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