東響定期~ショスタコーヴィチ生誕100年
年間の定期会員になってしまった東京交響楽団の5月の定期公演は、表記のとおり、ショスタコーヴィチの生誕100年ということで、指揮にドミトリー・キタエンコ、ヴァイオリンに川久保賜紀 を迎えて、ヴァイオリン協奏曲第1番と交響曲第7番《レニングラード》。 川久保賜紀のヴァイオリンを聴くのは確か初めて。とくに特徴のある音色であるようには感じられなかったものの、テクニックは相当のもの。このとてつもない難曲を、体全体を使って余裕のある表情で弾き切ってしまうのは、たいしたもの。同じ曲を7月に庄司紗矢香で聴けるのは楽しみ(都響演奏会)。 さてメインの《レニングラード》は、10年前のマリス・ヤンソンス/レニングラード・フィルや藤岡幸夫(近々千葉大のオケを振るとか)/日本フィルの名演が記憶に強く残っているが、彼らのアプローチがどちらかといえば、政治的な文脈を意識させない純音楽的なアプローチであったのに対して、キタエンコのそれは証言以後のもの。冒頭から足取りは重く、フィナーレもちっともハ長調の響きには聴こえてこない。この曲が作曲された当時の抑圧的状況の心理的表現が、そのまま表われたような演奏というのは、名演には違いないし、この曲の真価を表現しているかもしれないが・・・つかれた。いずれにしても第3楽章が、冒頭のコラール風の部分をはじめとして美しい。ヤンソンスはコンセルトヘボウと今年も来日するが、ショスタコはなし。いや編成が大きいから《レニングラード》は無理でしょうけれども・・・。

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