プレジデントを買ってみる
決してブログのことを忘れるほど慌しかった訳ではないにせよ、ついつい書き込みを怠ることは良いことではないですね。すでに3月に入ってしまいました。 しかし先週はサンデルの翻訳の件で、拘束時間が長かったことは確か。 さて、おそらくは初めてのこととして隔週で発売されている雑誌《プレジデント》を購入(2006 3.20号)。 特集が「『考え方』革命」というものだったので、ちょうど高崎経済大での講義と関係があるかもと思って購入。それなりに面白いものでした。 高崎での講義で必ず最初に言うことは、「論文の読み方・書き方」という授業は、必ずしも論文の書き方のイロハを教えるものではないし、卒論を書くテクニックや研究者になるための技術を教えるものではないということ。むしろ、企業等に就職したとしても、必ず求められる「相手の考えを理解する、自分の考えを伝える」ための「論理的能力」を養うため、それも誰かの受け売りの議論をするのではなく「自分の頭で考える」ことを目指していることを強調しています。 今回の特集を読んでいて、やはり「論理的」であることは「相手」が決めることという点がまず強調されていた点が興味深い。論理とは、何か客観的な、機械的なイメージをもたれがちであるし、その点も重要な点であるが、そもそも論理的というのは"logical"という言葉よりは"reasonable"の方がしっくりくる。つまり"reason+able"ということで、十分な理由(reason)をもって、相手に納得してもらう点が求められる。 「論理的」の客観性という側面は、だいたいおおよその人であれば納得してもらえるだろう、という意味においての客観性で、そもそも人間の作り上げるものに完璧なものは存在しない以上、100%の客観性も存在しない。あくまで、現時点でみなが納得している程度のものであろう(やっぱり、ポパー)。 論文にしても、ビジネスにしても、求められることは相手にきちんと自分の考えを伝えることができるかどうか、それも相手の求めているものを理解しつつという点であろう。 また妹尾堅一郎氏による「名案が浮かぶ『思索のツール』活用法」も興味深く、彼の言う「問題解決症候群」(問題は与えられるものであり、その問題には唯一の正解があり、その正解は誰かが知っている)は、まさに私たち教員の間でも共有されている問題意識である。そもそも問題そのものも自分で探さなくてはならないし、それに対する答えも自分で探していかなければならない。その探索のプロセスこそが【自分の頭で考える】ことなのであるが、受験勉強で知識吸収型の勉強ばかりをしてきてしまうと、正解が出さないといけない、ということで、参考資料を探したりしてしまう。何か適当なものが見つかると、これでいいや、といって少ない資料(それも一冊だったりする)でレポートや論文を書こうとしてしまう。あまつさえ、そのまま書き写す(ネットであればコピペで簡単に)ことに繋がる。 確かに自分の頭できちんと考えることは、ある程度の知識(=材料)がないとできないし、面倒な作業ではある。しかしそれがある程度できたときの喜びが判ってもらえるとあるいはこういった能力は飛躍的に伸びるのだが。一番難しいのは、無気力な学生の場合。特別なにがやりたいわけでもないし、とりあえずで来ている学生の志気を高める方法ばかりは難しい。 ちなみに後ろから雑誌をぱらぱらめくっていたので面白かったのは「『学歴の結婚力』女のホンネと男の勘違い」。なかなか切実ではありますが。自分が高偏差値大卒だから気楽に読めるだろう、というよりは、収入がどうのこうのという世界に生きていないので、世間の動向はそんなものなのだなあと見ることができるというのがおそらく正確。

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